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人とモノの物語が、”つくる”の源

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古(いにしえ)のマヨネーズ ー 和風カルパッチョをつくる

 酒を呑むと、打ち上げ花火のように明るい人格が憑依する彼女は、和室アパートに趣味の陶器金継ぎの工房を構えていた。
 丸いドアノブを回して扉を開けると、い草と塗料の香りが淡く混ざり合う、古都の世界にタイムスリップしたような部屋だ。古さを感じさせない程にダイニングの床は磨かれ、あぐら座りの狭い工房エリアには、筆や陶器が骨董物の棚に機能的に並んでいる。当然、キッチンも綺麗だ。
 気が小さく物静か、生まれる時代を間違えたのではないかと思うほど古風な人柄で、料理の腕前は何を食べても美味く、僕がキッチンに入ることを頑なに拒む。そう、酒を呑むとき以外は。
 酒の肴の用意は僕が担当だ。まともな料理を作れず、申し訳無さそうに皿に盛られた肴を見て、彼女は嬉しそうにケタケタ笑う。しかし、カツオの刺し身にマヨネーズと醤油をかけて出す時は、邪道な食べ方だと、顔色を変えて怒るんだ。

 アパートの外からは、小学生達が遊び回る声が聞こえてくる。小さな窓をカラカラ開けると、黄色く染まったイチョウの葉が舞っていた。


 早速いきます。べらぼうに簡単な酒の肴。「そんなのちげーよ」とか、「お刺身サラダじゃん」かもしれませんが、適当なわりには美味いです。

材料

  • 刺身用の魚(ブリ、カツオ等の脂が乗った魚が合うけど、タンパクな白身魚でも全然美味い。ただし、サバやイワシのような青魚は合わないかもしれません。)
  • ごま油(適量)
  • マヨネーズ(適量)
  • 醤油(適量)
  • 他、お好みで、胡麻を振りかけたり、しその葉やかいわれ大根等を添えても良いかと。

作り方

 何もコツはありません。とにかく盛って、振りかけて、食べるだけ。
 今回は鯛とメバチマグロの切り落としを使いました。鯛の白身も合います。お刺身の上には刻んだ大葉。
 刺し身魚の生臭さがきになる人や、脂肪が多すぎる魚の場合は湯引きしても良いかと。ただ、マヨネーズの酸味やまろやかさがごま油やお刺身の油分を調和してくれます。また、擦り下ろしニンニクやスライスを乗せても美味いです。
 オリーブオイルの代わりにごま油、バルサミコ酢の代わりに醤油(見た目)、という感じでちょっとカルパッチョっぽいかなという事で名付けただけです。ごま油の香りで中華風という印象があるかもしれませんが、食べてみると意外と和風を感じます。

マヨネーズのかけ方が、完全にお好み焼きです笑

食べ物も、「モノつくりと、物語」の一つ

 このブログの主題である「人とモノの物語が、”つくる”の源」は、食べ物にも該当することとして、紹介させていただくレシピや、食べ物には、ちょっとだけでも「物語」を添えて記事にしていきます。

 僕は酒は好きですが、そんなに多くは呑みません。でも生活サイクルの中では食べる事がダントツに好き。僕の料理は自炊レベルですが、多くの男がそうだと思うけれど、自分が好きなモノは結構美味しく作れたりするものです。そんな好きなモノリストの中で、1万人に一人くらいは「美味い」と言ってもらえそうなモノを紹介します。

美味しい料理は、世界を平和にする

 マジで思っています。人は、他人との比較で幸不幸を判断するが、毎日おいしいご飯を食べられたらそれで良い。食べられないから争う。「あいつ和風カルパッチョを食べてやがる」と思うから争う。争わず、笑顔でいれば笑顔が集まる。それだけで世界は平和。


 記事の巻頭に添える物語が、フィクションかノンフィクションかは明記しませんが、写真掲載されている人物と物語は全く関係ありません。掲載毎に協力していただける友人等に声をかけています。「モデルになってもいいよー」という方はご一報ください。


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