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Switchbot をカスタムする ー クラウドを経由しないで操作できるようにする  (1)カスタムした理由

※この連載記事の読者は、ある程度のIT技術系のリテラシーを持たれていることを前提にしていますので、専門用語は普通に使っていきます。

※この記事は「連載記事」です。

 Switchbotは、IoTのしくみをDIYする人にとって、人気のデバイスです。しくみは非常にシンプル。スマホの専用Appを使い、外出先等から部屋の電気のOn-Offや暖房器具等の”物理スイッチ”を遠隔操作できる、というモノです。
 秀逸なアイデア商品で、Switchbotを実現している技術もとてもシンプルです。マイコンを使ったモノつくりを趣味にする人でも作れるような構造ですが、これが数千円~1万円程度で売られていることが素晴らしい。”欲しい機能を持つ商品”が、買える価格で売っているなら作る必要がない。

※この連載記事の読者は、ある程度のIT技術系のリテラシーを持たれていることを前提にしていますので、専門用語は普通に使っていきます。

不満な点は2つ。電池駆動と、専用クラウド経由による操作

 それでも不満な点はあります。1つ目は電池で駆動すること。Switchbotの利用シーンを想定すると、稼働する頻度がそれほど高くないため、電池でも十分という割り切りがSwitchbotのメーカー側の考えだと思われますが、「電池切れによる未稼働」という不安は「遠隔操作を行う」事の理由や重要性を考えると、場合によっては致命的になります。大容量バッテリーや常時給電のしくみで稼働させたいなら、自分で同様のしくみをつくるか、別の製品を探すしかありません。
 ただしSwtchbotのマイコン制御は省電力の工夫は当然施されていると思われ、1年間の使用での電池交換は一度だけでしたので、利用シーンによっては十分な「電力環境」ではあります。

 2つ目の不満は、メーカーが用意している専用クラウド+Appでの利用を前提にしていることです。
 最近のSaasやIoTサービスの特徴でもありますが、メーカーが用意したクラウド、つまりプラットフォームを使うことが前提になっています。プラットフォームを活用すれば、自分で遠隔操作用のネットワーク環境を別途用意する必要がないため、一見、ユーザーにとっては便利なしくみです。
 しかし、データ・セキュリティの不安や、他システムやサービスとの連携面で不自由があります。勿論SwitchbotにはAPIが用意されているため、他システムとの連携は想定されていますが、APIで各社のサービスを結合して一つのシステムを組むと、結構ややこしい状態に陥ることがあります。


 今回のSwitchbot採用では、それほど多い頻度でSwitchbotを稼働させないことや、設置する目的が「電池切れで動かなくても、仕方がない」と考えられるケースである、という理由から電池駆動の不満は受け入れることにします。一方で、専用クラウド+App利用は、少々問題がある。そこで、今回は、独自ネットワーク・セグメントやVPN経由によるSwitchbot稼働を可能にするカスタムを行うことにしました。

今回つくる、Switchbotカスタムの概要

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