DEOS Tech note

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【DEOSランタン】(4) DEOSランタンの構造と、部材の組み合わせ ー 100均部材で、SDGsなイケてる蝋燭ランタンをつくる

※この記事は「連載記事」です。 

 100円ショップで集めた部材で、女の子に「ナニソレ、可愛いーー!」と言われる(かもしれない)蝋燭ランタン(=DEOSランタン)の作り方の連載です。可愛いだけじゃない、科学的に構造を考えて、さらにエコでSDGsで技術はレガシーだけど哲学は最先端。こういうモノ作りは僕の好みです。

 まず、使う部材の組み合わせを前回の記事からおさらいします。ここでは、実際の制作工程を考えて、ランタンとしての役割を持つ”モジュール”単位で、構造と部材の組み合わせを説明します。実際の制作工程も、このモジュール単位で行います。

  1. モジュール1:ハット(役割:灯火光の下方と周囲への散乱、ススの拡散防止、風防)
  2. モジュール2:燃焼室(役割:ロウソクの燃焼、排気、保温、防風、灯火光の散乱)
  3. モジュール3:台座(役割:吸気、未燃焼のロウを受ける、プレヒート)

モジュール1:ハット

 ハットの役割は、ロウソクの明かりの下方と周囲への反射と、ススの拡散防止や風防で、結構大事なモジュールです。また、カンタンに取り外しができることで、収納と持ち運びに便利ということに合わせて、各モジュールの洗浄や、好きにデザインしたハットに着せ替えもできます。
 ハットは、下の図のようにアルミ缶ボトルのキャップを接着・固定してあり、キャップのネジ構造が「モジュール2:燃焼室」と結合するときのインターフェイスになっています。これによって、ランタンの清掃や部品交換も楽になります。さらに、アルミ缶ボトルのキャップを結合インターフェイスとして持っていれば、先に説明したように着せ替え等の楽しみ方もできます。

 また、ハットの位置の関係上で仕方がないですが、アルミ缶ボトルのキャップ内部にロウソクのススが溜まることがあります。ススの溜まりを防止する工夫は、次の「モジュール2:燃焼室」で説明していますが、ススが少し溜まるだけでキャップと燃焼室が固着して、ハットを外しづらくなることがあります。
 そこで、ここのポイントとしては、キャップをハットに固定するビスを2つ使うことで、ハットを外す際の回転方向の力を受け止めています。また、今回はランタンを持ち歩くためのチェーンも付けていますが、この辺りの装飾等は自由に加工してオリジナルのDEOSランタンをつくることができます。

モジュール2:燃焼室

 燃焼室はロウソクの灯火を、効率よく燃焼させるための空間です。炎による上昇気流で酸素を導き排気する。そして、ガラス瓶による「光の散乱」効果でロウソク単体よりも周囲を広く照らします。さらに、炎を効率よく燃焼させるために高い温度を維持するための保温効果、燃焼中のロウソクから出る可燃性の気体を防風する効果があります。
 シンプルに言えば、風で炎が消えるのを防ぎ、明るく照らし、余計な不完全燃焼を防ぐ役割があります。これらのしくみは連載2節の「蝋燭ランタンのしくみ」で解説しています。

 アルミ缶ボトルのキャップ内部にロウソクのススが付着することで、キャップの「ねじ回し構造」で結合してあるハットが固着してしまうことがあるので、図で説明してあるように、アルミ缶加工の端材とキャップの端材を使って、ススの付着を防ぐ構造にしています。

 アルミ缶ボトルとガラス瓶の接着結合では、次の図のようにお互いを切断加工してから、強力接着剤で結合しています。このときのポイントの一つは、図にもあるように、結合部のお互いの直径サイズがほぼ同じということです。
 また、アルミ缶ボトルを”波型”に加工している理由は、「はめ合わせ」の接着面積とガラス瓶からの明かりの確保を両立すること、そして「はめ合わせ」がスムーズになることです。

 上の図で一つ疑問を持たれるかもしれない事として、「ガラス瓶の向きは逆じゃダメなの?」と思われるかもしれません。ダメではありませんが「DEOSランタン」としては、この向きには意味があり、推奨しています。その意味については、次の「モジュール3:台座」で説明します。

モジュール3:台座

 DEOSランタンの構造で最も特徴的なモジュールが、この台座です。
  少し前に説明した「ガラス瓶の向き」ですが、上の図でわかるように、「モジュール2:燃焼室」と「モジュール3:台座」は、ねじ回し構造を持つガラス瓶の蓋が結合するためのインターフェイスになっています。このようにDEOSランタンは、各モジュールをねじ回し構造等でカンタンに組み立て、取外しが出来ることを特徴の一つにしています。

 台座の役割は、吸気と「未燃焼のまま溶け落ちたロウを受ける」ことです。ロウソク自体は「ロウソク受け」に設置しますが、特に大きなロウソクを使う場合、高い頻度でロウ受けからロウが漏れ落ちます。その漏れ落ちたロウはランタン内部を汚すだけではなく、燃焼室と台座を結合するガラス瓶のネジ回し部分をロウで固着させてしまいます。それを防ぐために「溶け落ちたロウを受ける」役割を担っています。さらに、ロウ受けに溜まったロウは、再利用して新たにロウソクをつくることができるます。
 また、台座内の空間は吸気された空気を燃焼室へ導きますが、外気が一旦この空間に入ることで、外気温にもよりますが、多少のプレヒート効果があります。

次の記事で、「つくる」を紹介します。

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※この記事は「連載記事」です。

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